2013年7月30日火曜日

芸濃名所めぐり 自然編 その3 ~小野平の滝(稲子の滝)~

毎日暑い日が続きますので、少しでも涼を感じていただきたく、芸濃地域にある滝をご紹介したいと思います。
県道42号線津芸濃大山田線と県道28号線亀山白山線の交差点、安西橋を渡り、南へ約2km進むと、小さな案内看板があります。
これを右折すると砂利道となり、さらに進むと小さな橋があります。この下の川が滝川で、橋を越えると道は舗装されていますが、さらに川の上流に向かって進むと途中から未舗装の荒れた林道となり、約1.2kmのところに、滝まで約500mの看板がありますが、滝は右下にわずかに見える程度ですので、見落すかもしれませんのでご注意ください。




今回は、芸濃名所めぐり第3弾として、『小野平の滝(稲子の滝)』をご紹介します。
まずは、小野平の滝にまつわるお話から・・・

昔、芸濃の小野平の山の中に大きなお寺がありました。また、近くには神社も建てられ、「稲田姫」というお姫様の神霊が祀られていました。
この神社の祭りには「稲子の滝」の清水が供えられていました。暑い夏の日ことでした。一人のきこりが息子を連れて山へ木を切りにやってきました。子供は、幼いころに大病にかかり、熱が下がったときには目が見えにくくなっていました。それ以来、いつもお母さんかお父さんの近くで遊んでいました。
その日はとても暑く、父親は息子を木陰に休ませて、少し離れたところで木を切っていたのですが、あまりにも暑く少し休もうと思い子供のところへ行くと、子供は汗をかいていて、水遊びをしたいといい、父親に滝壷まで連れていってもらいました。子供は滝の清水を浴びて遊んでいると、まわりの景色が良く見えるような気がして、もう一度滝壷の清水で目を洗ってみました。すると森の遠くの方や、父親の顔、手に持った斧が見えるようになったのです。
二人は急いで家に帰り母親に森での出来事を話しました。母親が大喜びしていると近所の人たちが集まってきました。近所の人たちは驚いて「それは稲田姫の清水のおかげだ」と言ってその滝を、稲田姫の「稲」と子供の「子」をとって「稲子の滝」と呼ぶようになり、滝の近くの石に不動明王が彫られました。それからというもの稲子の滝にはたくさんの難病で苦しむ人たちが清水の滝に打たれに通ったといわれています。

と、お話にもありますように滝の右手に不動明王さんがあります。



そして、これが滝なのですが、
3年前の写真です。



一昨年の秋、新聞にも掲載されたのですが、
台風15号の影響?
巨大な十個近くの岩が崩れ落ち、景観が損なわれてしまいました。



ところが、昨年の台風17号の影響?
滝壺をふさいでいた巨大な岩が無くなっていました。



かつて、昭和の初め頃、安濃鉄道が旅客誘致のため、この滝を新聞やポスターで宣伝していたとの話もあります。避暑地としてでしょう。
以前紹介した椋の樹もそうですが、自然の力でその姿が変わってしまうのは残念ですが、今回は、上手く復旧?できた珍しい事象だと思います。
再び、何もなかったかの如く、川のせせらぎの奥に、凛とした滝の姿があります。